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2011.09.16

ジャケ買いは不滅です!? #2

安藤耕一郎 (クリネタ編集団 / フリーエディター)
Bill Carrothers “Excelsior”
(Outnote Records ONT007)

第2回目に選んだのがビル・キャロザースの“Excelsior”というアルバムです。

ご覧の通り、遊園地にある回転遊具に乗った、笑顔の美女三人のモノクロ写真がカバーに使われています。彼女たちの洋服やヘアスタイルから、いかにも50′sの雰囲気なんだけど、レコーディングされたのは約1年前の2010年10月です。

一見して、これはいかにも“ストックフォト”を使っている可能性が高いと感じ、中面にある写真のクレジットをチェックしてみました。すると、案の定 “The Scrambler of the Excelsior Amusement Park, 1950 (Courtesy of Excelsior-Lake Minnetonka Historical Society)” と記されています。ネットで検索してみると、アメリカの中西部、ミネソタ州にあるMinnetonka湖畔の町、Excelsiorに1925年から73年まであった遊園地で、そこで1950年に撮影されたもののようです。

アルバム制作費の事情で、以前から、ジャケ写にオリジナルの撮り下ろしではなく“ストック~”を使うことは珍しいことではありませんでした。これを逆手にとって、アートディレクターが意識的に、似たような傾向の写真を使い続けて、結果として成功することもあります。例えば、いつも妙齢の謎の美女が登場するエディ・ヒギンズ・トリオのVenusレーベルでのシリーズなんて、それの典型かも知れません。

さて肝腎な中身ですが、ジャズピアノのソロ演奏です。とにかく“ジャケ買い”なので、このビル・キャロザースのことはまったく知りませんでした。1964年にミネソタ州で生まれ、これまでに10枚以上のリーダーアルバムを出しているらしいのです。

ライナーには、この写真はビル君が幼少の頃に遊んだ遊園地ということが書かれています。雰囲気が気に入ったから選んだのではなく、想い出がある場所の写真をカバーにして、懐かしい日々をピアノのソロで表現したということなのでしょうか。

オジサンたちにはちょっとロマンチック過ぎる演奏にも思えますが、ジャケ写から受けるイメージと、それほど違和感を感じないと言えなくもありません。

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