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2011.10.07

伊能忠敬―inoism

柴田常文 (コピーライター / クリエイティブディレクター)

足かけ17年。全国を歩いて測量し、『大日本沿海輿地全図』を完成させ、歴史上初めて国土の正確な姿を明らかにした伊能忠敬のことが気になる今日この頃。

彼が第一次測量を開始したのは、寛政2年、ちょうど1800年のことだ。この時、すでに56歳だった。人生50年時代の56歳だ! 歩いて測量してしまおうというその広大無辺な思想は、のちに「inoizum=イノイズム」と称し、長く日本人のアクティブ思想として受け継がれていくことになる。

そのイノイズム思想の実践者のひとりが、長友啓典クリネタ編集長である。

歩けば、すべての数値が下がる! γ-GTPだって、尿酸値だって、コレステロールだって、中性脂肪だって、血糖値だって、何だって、全然怖くない! 氏が「歩こう!」と決心し、朝の散歩でテクテク歩き始めてカレコレ10年以上になる。業界ではかなり早めのイノイズラー(イノイズムを実践する人のこと)となった。酒と美食三昧の日々を、一日でも一時間でも長く送りたいがための朝の決断だった。ちょうど、還暦が契機となった。長友啓典の朝の散歩、略して「アササン」は、もはやブログファンにはよく知られたワードである。もうすぐ広辞苑にも載ってしまいそうなイキオイなのだ(たぶん)。

かくいう私も、この激動の2011年、ついに伊能忠敬にカブレてしまった。長友啓典と同じ還暦での決心(還暦って何か、イノイズムと関係があるンだろうか?)クリネタ編集団のなかでは、イノイズラー第2号である。もう歩き始めて3ヵ月経過。今やすべての距離を、「歩数」で判断するようになってしまった。日本橋まで5Km…ではイメージできないが、6200歩くらいと言われれば、ああ大したこたぁね~や、なのだ。なんせ毎朝ノンストップで1万歩を歩いている。歩数とその距離感が、歩く実感として身についているのだ。

飯倉を出て真っ直ぐ六本木⇒青山一丁目⇒イチョウ並木⇒絵画館前⇒外苑を一周して⇒来た道を戻る。これで1万歩だ。その距離感がイメージできる。ここから、あそこまでなら、ン~む、1200歩かな…? これが、だいたいピタリと当たってしまうのだ。まさに、伊能ならぬ異能を身につけてしまったのだ!

毎朝早起きしてみて初めて知ったのだが、結構な数の人が、もう起きているのだ。歩く人、走っている人、歩いているんだか走っているんだか分からない人、犬を連れている人、犬に連れられているヨタヨタな人、前をだいたい女房が歩いて引率している老夫婦連れ、歩道を井戸端にして話しこんでる中年おばちゃん連れ、実にさまざまな人々が早起きしていた! 残念なことに、長谷川理恵のような女にはお目にかかったことがない。都心でも、都下三多摩でも…ああいう女は何処を走っておるのだろう? ご存知の方は、ぜひ教えて欲しい。

『55才から73才に至る18年間、日本全土の測量、地図製作という大事業を成し遂げた。忠敬が作成した地図は伊能図として、世界でも実測による地図として貴重であり、且つ精度も非常に高く、昭和の初期まで参謀本部20万地図に使われていた程である』と記されている。伊能忠敬が住んだ「深川黒江町」、そこに住居跡碑がある。亡くなったのは73歳、茅場町にその住居跡もあるらしい。何歩くらいで行けるんだろう?

*注:イノイズム、イノイズラーは、著者が今後、新現代用語として普及させようとしているワードです。もし実際に使われている現場を目撃された方がおりましたら、ぜひクリネタ編集部までご連絡ください。

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