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2012.05.18

「老人力」始動宣言!

長友啓典 (クリネタ編集長 / アートディレクター)

高校時代の友人Tから長文の手紙が届いた。「85歳頃までにはノルウェーに店を持つのが当面の目標」と巻頭にあった。これからほぼ10年は頑張るぞぉという決意表明だ。店を出してから10年ぐらいは頑張らないといけない大変な計画である。一昨年病気を患ったボクに対しての励ましの文と受け止めた。

高校時代といえば50数年前に机を並べた仲である。しかも運動部は同じラグビー部である。全国大会(聖地花園競技場)、国体(兵庫県神戸市)にも共に出場した。Tは早稲田大学に進学、ボクは一年遅れて桑沢デザイン研究所に通った。住んでいる場所は、代々木八幡の木造アパートの隣同士の部屋であった。青春時代の8年間を共に過ごした。同じ釜の飯を食った仲というヤツだ。大学卒業後、Tは家業を継ぐために大阪に帰り、ボクは東京に留まりデザインの道に進み現在に至っている。東京時代は勉学に勤しむ傍らこの時代の若者達に見られるよくあるケースだ、麻雀を覚え(学生街には雀荘が多くあった)、トリスバー(サントリーが寿屋というネーミングの会社であった)では議論を闘わせ、モダンジャズの喫茶店ではひとり思索をした。渋谷、新宿でガールハント(古いねぇ)をし、ダンパ(ダンスパーティーではツイストが流行った)に明け暮れる日々を共有した。「なんともはや」である。

Tの家業は何代か続いている「カバン」の製造業である。景気、不景気を通り過ぎ、息子さんにバトンタッチをした今は試行錯誤の末、ひとり納得のいく「カバン作り」をしているようだ。70歳を過ぎた多くの友人、仲間達はリタイア、孫の世話、隠居と言っている時、「85歳頃にノルウェーに店を持つ……」という手紙に心を揺さ振られた。

時を同じくして、40年前に結社をつくった仲間達が、先日集った。20名近いクリエイターのグループ「サイレンサー」である。それなりに70年代から80年代に何度か集団として作品を世に問うた。その仲間達が今、「もう一度展覧会をしようぜ、次の世代にもの申そうじゃないか。」と意気込んでいる。「老いてますます盛ん」という言葉がある。これは別の意味ではあるが、そちらの意味をふまえての話だ、あえて言う。「老人パワー爆発」といったところだ。

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