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2012.06.15

ボクのコレクション譚

長友啓典 (クリネタ編集長 / アートディレクター)

コレクションという程でもないが、考えてみれば70年も生きていれば使っていたものを置いておくとそれなりのものが周辺に溜まってくる。

子供の頃に集めていたのが、ビー玉にベーごま(大阪ではバイと言った)に始まり、べったん(江戸ではメンコ)等々の遊び道具であった。東京に出て来て学校にも慣れ、余裕が出て来た頃にはディズニーのグッズ(1950年代にはまだこの言葉もなかった)である。その前にグリコのおまけがありました。お菓子類に付いてくる例のおまけが記憶にありますが、これはメンコ、ビー玉の延長線上のもので意識してのそれはやはりディズニーものであった。時計があり、人形(フィギア)があり、ブリキのおもちゃがあった。ボクのコレクションの目玉はボクシングのグローブ大のミッキーマウスの顔を型どった「コダック社製のインスタントカメラ」であった。特徴のある鼻にレンズが埋め込まれ、シャッターは確か記憶に間違いなければ耳を下に下ろすと「ガッシャッ」という大袈裟なシャッター音がした。それもこれも結婚した時に嫁が我楽多として処分してしまった。叱る訳にもいかずこの類いは止めにした。

仕事柄絵画を見る機会が多い。見たい時に見る為に欲しくなる。当たり前のことであるが、やれピカソとか、ミロ、シャガールにゴッホなどに手が届く訳もないが、この頃画集を数多く買い求めた。値がつかないほどのごくごく新人で目を見張る「スゴイヤツ」に出くわすことがある。そういう時に飯代、酒代を削って、買い求める時がある。ボクの中で唯一の大物買いは、1963年だったと思うが、初任給9千円の時である、東京は銀座の「東京画廊」さんが勤め先の上司のところに、ある絵を売り込みに来られた。当時人気絶好調のハリウッドスター「マリリンモンロー」の肖像画であった。所謂美人肖像画でなく、シルクスクリーンに大胆なカット、色合いのグラフィックデザイン調のものであった。その造形に「目がテン」になるショックを憶えた。今は超ビッグなアンディ・ウォホールの版画である。我が給料を顧みず頼みまくって月賦にしてもらい購入に漕ぎ着けた。その絵の代金は、給料9千円の頃、5万円であった。これがコレクション人生の始まりだ。

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