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2013.03.25

イノイズム思想①「空気」

柴田常文 (コピーライター / クリエイティブディレクター)

冬の空は澄んでいる。抜けるような青空だ。この冬は、富士山がクッキリきれいによく見えると言う。そのような朝の空気のなかを、白い息を吐きながら時速4キロで歩く。音楽は聴かない。せっかくの思考タイムを音なんかで邪魔されたくないのだ。走る人は、何を考えて走ってんだろう。きっとハぁハぁ~で、何も考えられないだろう。ただ走っておるに違いない。走るに思考は似つかわしくない。歩く人は、考えられるのだ。カントを見よ。偉大な思想、哲学は、歩くことから生まれたのだ。科学また然り。ニュートンが歩かなければ、りんごが落ちる瞬間だって見ることができなかったのだ。見なきゃいったい万有引力はどうなっていたか?!

では、私は何を考えて、歩いているか。
今朝は「空気」について考えた。

1970年代中頃、「水を買うんだってよ、水だぜ」と、誰もが笑って言っていた。水清き国の住民は、お金を出して水を買うなんて……と誰もが思っていた。その水を持って歩くだなんて、ありえね~! どこにでも水道があるのに……だった。それがどうだ? 水清き国の住民は、いまや誰もが水を買い、持って歩くようになっているじゃないか。いったい、いつ頃から、誰が、どうして、そうなったのか? もはや知る由もないが、それはさておき。

「空気」も同じことが言えまいか? いや、言えるな。うん、言える! だ。
KKPm2.5の季節だ。「花粉、黄砂、そして新型汚染物質Pm2.5」トリプル襲来でアレルギーを引き起こす! もはや、空気が恐ろしい時代に入った。日本にはさらに放射性物質も浮遊している。昔の、光化学スモッグ注意報も真っ青の、外出禁止令が発令される日も近い。そして、「空気も買う時代」に入るに違いない。いや、絶対入る! もう入っているか?!大人も子供も、外出には、スプレー缶のようなものを持ち歩いて、息苦しくなった時は、それでシュ~ッ!する。街のあちこちには、空気の避難場所が設置されている。富士山、ハワイ、スイス、アルプス……空気缶のブランドも実に様々だ。先日は「手つかずのツンドラ」という新ブランドが売り出された。

「お帰りなさい、アナタ。お風呂にします? それとも空気? 今日は、ハワイを流してますけど」外から帰ってくると、まず空気! の時代なのだ。

あと何年でやって来るだろうか? 2020年東京オリンピック、大丈夫か?

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