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2013.04.15

イノイズム思想②「監視」

柴田常文 (コピーライター / クリエイティブディレクター)

イノイズムとは、日本列島をくまなくウォーキングして測量した伊能忠敬にちなんで名づけた新思想名である。転じて「決して音楽など聴かず、自らの脳と対話しながら、ひたすら歩く」そこから生まれる思考、思想を言う。

犯人は、「監視カメラ」により判明した。逃走しても「監視カメラ」に鮮明に映し出されており、逮捕は時間の問題でしょう……

いまや事件や犯罪に、「監視カメラ」はどこまで活躍しているのだろう。その検挙率は、どのくらいなのだろう。「監視カメラがあって良かったね!」と、誰もが安心する社会が広がっている。「監視カメラに警視総監賞を!」と、ヒーロー視する世の中になってきている。果たして、そう素直に喜んでいいのだろうか? と、歩きながら思うのだ。

もはや、監視カメラはどこにでも備え付けられている。駅や学校、公園など公共施設は当然ながら、商店街などの通り、コンビニやファミレスなど深夜営業をやっている施設、そして一般ご家庭の玄関に至るまで、ありとあらゆる場所にある! 牛小屋や豚小屋にもあるのだから、おそらく、番犬替わりなのに犬小屋にもあると思われる。

それが、もはや当然の社会なのだ。みんな、「あ、監視カメラがあるから安全ね!」と思うようになっている。でも考えてみて欲しい。チョッと前までは、「監視カメラで監視されるような社会は、ヤバイ!」と誰もが、ジョージ・オーウェルの『1984』社会を恐れていたハズではなかったか。アップルコンピュータはこれをモチーフに素晴らしい企業CMまで創った。

いつから、こうなってしまったのだ? みんな、「すべてを監視される」という全体主義的恐ろしさを忘れ、「監視する」という立場で語るようになっている。

それが証拠に、「生活保護受給者がパチンコをしていたら、市にご一報を!」ということを真面目に訴える市長が現れている。生活保護のために支給される血税を、パチンコなどの遊興費に使うなんてけしからん! かどうか、という話はおいておいて、そういう行為を、みんなで監視しよう! と堂々と言っているのだよ。恐ろしいとは思わないか!! …………ン? ちっとも! ですか?! 当然だよ!……で、ですか?! …………あらら、イノイズム、退場……。

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