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2013.06.24

「歩く人」の効能。

長友啓典(クリネタ編集長 / アートディレクター)

会合であるとか、パーティーであるとかで挨拶されて顔は覚えているのだが名前が出てこないことがよくある。ある特定の会であれば友人関係、仕事関係と周辺を探っていくと分かってくることが多い。路上であるとか電車のなかで「ヤァー」と手を上げたのは良いが「?」誰だったかなぁ、と上げた手が下ろせない時がある。先方もそんな感じで「目」が怪訝さでいっぱいだ。「ナガトモです」と名乗ったのは良いが、「どちらの」と聞き返された時のことを想像すると、こちらもうろたえが隠しきれない。

……年と共に物忘れがひどくなってきた。デジタルに慣れてくると、これに頼ってしまい漢字、地図を憶えなくなった。電話番号は確実に憶えなくなったし、忘れていってしまう。タクシー、電車の忘れ物。映画の題名と俳優が合致しない。「呆けて来たのかなぁ」と思う。そういう自分に何だか腹立たしい。年なんだと思う自分が情けない。

先日、ボクが大切にしている折りたたみ式の眼鏡を失くした。「またか」と思ったが、ここが踏ん張りどころだ、と一念発起。出張からの帰り、機内、車中で眼鏡をかけて新聞、本を読んだことは思い出した。羽田から品川まで京急で帰った。いつもの時間帯なら駅ナカの「モンドバー」に立ち寄ったりするのだが、この日はそのまま帰宅した。この眼鏡を失くしたことに気が付いたのは次の日の夕方だ、呆けているのか遅すぎる!! 24時間が経っている。

出張帰りの荷物を今一度点検、洋服をチェック……記憶では電車の中で新聞を読み、品川駅に下車の際確かに眼鏡をはずしてケースに入れたと信じ込んでいた。そうだお土産物の袋に入れたんだ、とひっくり返してみたが無い。ズボンのポケット、ジャケットの中、コートのポケット、ポケットだけでも20箇所ぐらいになっていた。

ここまでチェックしたのだからと99.9%諦めた。何か満足出来ず残りの0.1%、ひょっとしたら電車の中で椅子の上に落としたのかもと思い、丸一日経ってはいたが京急品川駅の遺失物のところを尋ね、30分ほど「ああだ」「こうだ」説明した。「これですか」と我が愛しき折りたたみ式眼鏡を駅員さんが差し出してくれた。

やっぱり毎朝のアササン「歩く人」になったことで眠りかけていた脳が活性化したという結論に達した。

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