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2013.08.19

イノイズム思想⑤「報道」

柴田常文 (コピーライター / クリエイティブディレクター)

子が親を。親が子を。夫が妻を。妻が夫を。女が男を。男が女を。若が老を。老が老を。教師が、警官が、未成年が、高齢者が……。日本人は、いつからこんなにも殺し合うようになったんだろうか? 殺人事件がうなぎのぼりで増えている! いったいどれだけ増えているのだろう? と調べてみた。
それが……?!

減ってきているという!‘あまちゃん’語で言えば、「じぇじぇじぇ!」だ。殺人認知件数は目下、最低記録を更新中らしい。2009年以降、4年連続最低記録更新中なのだ。1955年(昭和30年)当時は、3,066件もの殺人事件があった。それが、2010年(平成22年)には1,067件、毎年減って2012年(平成24年)には1,030件。この半世紀で、なんと3分の1にまで減ってきているのだ!

なぜ増えてきている! などと勘違いしてしまったのだろうか。私がおかしいのだろうか。イノイズム、始動せよ! テクテク歩きながら考えてみた。この私の勘違いは何処から来るのか?

報道だ! すべては報道に起因する。ひとつの殺人事件を、各TV局をはじめすべてのマスコミが一斉に報道する。異常な事件となれば、報道はさらにエスカレートし、どのチャンネルも根掘り葉掘り、何度も何度も執拗に報道する。その報道総量たるや、昭和30年当時に比べれば、3倍どころではないだろう。しかもメディアは、もはやマスコミだけとは限らない。ケータイ、PCのSNSで飛び交うおびただしい量を加えれば、もはや天文学的情報量となっているだろう。その総量が蓄積し、殺人事件が連日起こっている! という錯覚に陥らせているのだ。ニュース、報道番組が、やたらと増えている。番組表を占領している。朝のワイドショー、昼だって、夕方はもう17時から始まるし、夜も、深夜も、花ざかりだ。ニュース、報道は番組製作費がかからない。しかもノンフィクションはノベルより奇なり(なんで横文字なの?)。コンテンツが強い! だから、どの局もニュース、ニュース! のオンパレードなのだ。惑わされちゃいけないぞ。どこもかしこも騒いでいるけど、ひとつの事件でしかないんだということを、僕らはキチンと冷静に受け止めておく必要がある。

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