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2013.11.04

イノイズム思想⑦「無口」

柴田常文 (コピーライター / クリエイティブディレクター)

スマホで電話するのが、何だかカマボコの板に向かって話をしているようで、電話をした甲斐がないというか、達成感もないので、かけるぞ! とパッと開けて、終わったらパチンと閉める…このためだけにソフトバンクのガラケーを未だに手放さず、同じソフトバンクのiPhoneと2台を持ち歩き、周りからは馬鹿じゃないのと言われて、やっとここで「。」を打って、ひと息つける。

で、ある日ウオーキングしながら、ふと気がついた。スマホの方には一日何十通ものメールがポンポン届くのに、電話用ガラケーは夕方まで一回も鳴らない。スマホの方は毎日充電しなければならないのに、ガラケーは4~5日も持つ。携帯電話といいながら、みんな電話をしなくなっている! コミュニケーションがメールだけになろうとしているのだ。

LINEというものに加入してみた。スタンプ、チャット、短いメールのやりとりが楽しい。でも、これは会話ではない。考えてみたら、フェイスブックからもツイッターからも、相手の声は聞こえてこない。文字の羅列だけだ。世界から、肉声が消えて行く……。

世の中がどんどん無口になり、饒舌な短文だけが席巻する。その短文も、どんどん短くなっていく。「了解」などという単語は、その昔軍隊くらいしか使わなかったハズだ。それが、いまや小学生の女の子でも使う。可愛い子が「了解!」って言ってるんだよ。何だか気持ち悪くないかい? そのうち津軽弁のように、メールも、「どさ」「ゆさ」化してしまうんじゃないだろうか?

(解説:どさ=どごさ行ぐの? ゆさ=湯さ行ぐどご)

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