【ウィークリーネタ】 毎週月曜日更新中!

2014.06.30

イノイズム思想⑭「相棒」

柴田常文 (コピーライター / クリエイティブディレクター)

コンビとか、デュオとか、ペアとか、ダブルスとか、漫才師もそうか、相方とか、タッグとか、二人ひと組で行う活動が、スポーツだけでなく、音楽やら芸能やら、いろいろある。(何でこんなに呼び方があるんだろな?)

しかし、二人の力が拮抗していて、すごい力の二人が組んで、すごい力を発揮している! ということが案外少ないのではないだろうか? と歩きながらふと思った。かつて「ビートたけし&ビートきよし」という漫才コンビがいた。どうみても「ビートたけし」一人で良かったのではないか。しゃべりの90%は、たけしだった。その速射砲のようにくりだす話芸は、きよしの合いの手さえも拒否しているかのように見えた。なぜ、たけしはきよしと組んだのだろう?

「サイモン&ガーファンクル」というデュオがいた。美しい二重唱で世界中を魅了した。その歌のすべては、サイモンが作詞・作曲したものだ。隣のガーファンクルは、綿アメのようなアタマで、側でハモって歌うだけだった。「能なしガーファンクル」と言っていたもんだ(誰が?)。サイモンは、なぜガーファンクルを必要としたのだろうか?

そして「チャゲ&飛鳥」である。「SAY YES」「ひとり咲き」「YAH YAH YAH」……ミリオンセラーを連発したこのデュオの歌のほとんどは、飛鳥がひとりで作ったものだった。チャゲは側で歌うだけ! なのに名前までもチャゲが先に来る! いったいなぜなんだ? ヒット曲を作らねばならないという重圧に押しつぶされ、アンナカもシャブの違いも分からんくらいの薬中になってしまい、栄光に満ちた華やかな人生に自ら幕を引いてしまった。

ゲッソリと痩せた飛鳥。健康的なマルマル顔で「申し訳ありません」と謝罪するチャゲ。おい、チャゲ! お前が飛鳥の代わりに1曲でもヒットを飛ばす曲を作れば、彼はこんな事態に陥らずにすんだかもしれないのに……と思ってしまうのは私だけだろうか?

能ある者が、なぜ能なしと組むのか? これは男と女が愛し合う理由にも比肩する、人類の深い謎の一つだと思う今日この頃なのであった。

コメントする

*必須

*必須 Emailアドレスは公開されません